TDA1541 Epilogue (9)

ちょっと頑張って試作機のTDA1541AのDEMコンをMKT1813 0.22ufからRTF 0.22uFへと交換した。
MKT1813の0.22uF/250Vは2つのサイズがあるらしいが小型を使っていた。TDA1541Epiにぴったりのサイズだったからである。
一方RTFは、TDA1541 OPAMP I/V DACでは、高名で高価なASC X363より良い結果を得たコンデンサだ。X363と同様に誘導体はポリプロピレンだが、X363がメタライズドに対してRTFはフォイルである。ASCのWebサイトでもポリプロピレンのフォイルが性能が良いと書いてある。
実装には工夫が必要で片chの一列は基板裏側に配置したが、お世辞にも綺麗な出来映えとは言えない(笑)
まだ通電して3時間なので音に対して確定的な事は言えない、というか好みがあるから「確定的なこと」=「客観性」という等式が成り立つわけではないが(笑)、情報量多く上質で雰囲気がでてゆったりとした傾向がある。龍一さんがかつてRTFの音を「河口無線の最高級オーディオ試聴室の音」と評したが、言い得て妙である。

といっても、DEMコンデンサーの種類と容量ですべて音質が決まるわけでもなく、その他諸々の要素との総合の上で音は決まる。その点で言えば、本日偶然購入したTrが「激変要素」を持ったもので、DEMコンの音質差などそれに比べれば微々たるものである。しばらく聴いてからそのことについては書くことにする。
ディスクリオペアンプは抵抗やTrを種々交換して聴いているのだが、現状で出力Trは2SC97Aがやはり良いと思う。2SC959/2SC960は中域重視で雰囲気にすぐれるが分解能がやや落ちる。しかしこの2種は大きく分ければ同傾向。はっきり違うのが2SC984である。やさしい音なのだが鈍いとか古めかしいということではなく、すこし引き気味に遠慮しながらもすべてを描き出すという感じ。これはこれで良い。
またディスクリオペアンプの定電流回路は出力と同じく2SC97Aが圧倒的に良かった。以前、山荘の試聴会にお見えになった生録&金田式愛好のAさんがblogに書き込みされたので試したのだが、これは誰が聞いても良いと感じると思う。じんそんさんにも伝えたが返信が「座尿(おしっこちびるくらい良かったの意)」である(笑)
抵抗はプレート抵抗、DALEのRN55C、DALEのRS1Aを試したがプレート抵抗は付帯音がやはりある。この付帯音は豊かに聴こえるといった効果もあるので、一概に悪いとは言えない。RN55CはDALEの肌色抵抗の一連のシリーズのもので軍用規格。軍用規格で1/10W、民生使用では1/4W換算のようだ。これは癖はない。DALEのRN65(上の画像では本体基板に使ってる)やRN60も同様に癖が無くて良い抵抗だがRN55も同様。国内では入手性がよろしくない。巻線抵抗のRS1Aはとても正確な音だ、付帯音が少ないからプレート抵抗から替えた直後は痩せているような感もあるがそれは錯覚。
抵抗と言えば、龍一さんがデジタル電源の制御Trをダーリントンにする実験をしていたが、その際、ダーリントンの根っこ側のTrにブリーダー電流を流すために抵抗を入れたところ、抵抗によって音が激変して、電源の音というより抵抗の音の実験が出来る旨のことを話していた。付帯音の多い順番だと プレート抵抗>KOA抵抗>タンタル抵抗となるそうである。タンタルがクールで正確なことは僕も同意でPPPアンプでもタンタルを多用した。
オーディオは何をいぢっても音が変わる(笑)