E188CC

先日、松下の7308/E188CCを大量に入手した。その中にOリングが大きく、リングサポート板が上まで幅が同じのものが3個含まれていた。

管壁の表示に従うと1960年頃の製造となるが、松下が7308/E188CCの自社製造を始めたのは1962年頃だから合わない。また、形はストレートで、初期の球は右側のもののように"Pinched waist"と呼ばれる真空管の中ほどがややくびれている形のはずだ。そこで管壁を良く見るとPHILIPSのファクトリーコードがエッチングされていた。

"VR3 △0K"と読めた。△はPHILIPSのオランダヘーレン工場をあらわす記号だ。この球はフィリップス製のE188CCを輸入して松下の名前を印刷したものだったのだ。
松下がPHILIPSの技術を導入して製造していたことは周知の事実だが、高信頼管の需要がカスタマー(E188CCの場合は放送局が多い)からあった場合、自社製造できるまではPHILIPSから輸入して提供していたのだな。

PHILIPSグループには英国のmullard、独逸のVALVO、仏のDARIO、RadioTechnique、米国のAmperexなどがあって、それぞれの工場で生産していた球をお互いに供給しあっていた。7308/E188CCに関してはオランダ製とAMPEREXブランドのニューヨーク工場製を良く見る。
次の画像は左からPHILIPS miniwatt/RadioTechnique/VALVO/松下/VALVO (red print)であるが、製造はPhilipsのオランダヘーレン工場製造。ブランド名は違っても、中身は同じである。