TU-8300 (3) 6384 / F2a


6AR6が良かったので、その高信頼管 BENDIX 6384を試す。
6384は米空軍用の真空管で飛行機のレーダー用に使われたとのこと。500Gの加速度にも耐えるそうで、初期のジェット戦闘機にも使われたのではないか?

驚異的に頑丈な内部構造である。通常マイカで支える部分が分厚いセラミック板であり、ガラスとの接触部は金属!!である。小柄なくせに厚いガラスと頑丈な部材で、ずっしりと重い。
これも6AR6同様、ワイドレンジで力強く、音に芯がある。破綻が無い。これは良い。

次にSIEMENS F2aを試す。
F2aはPoströhre(Posttube)でドイツ郵政公社で使用されていた球だそうだ。実際、所蔵しているF2aの中には管壁に白地で"POST"と印字されているものもある。
余談ではあるが同じくPoströhreの電圧増幅管(五極管)にC3m、C3o、C3gがある。

電話の中継用増幅器に使用されていた真空管だ。近年まで1500円前後で入手できたが、生産当時の価格は1本が200ドル(295DM:ドイツマルク)だったそうで、当時の円ドルレートは1ドル360円だったから、1本72,000円。それが1500円程度というのは破格だ。
話は戻るがF2aはPoströhreなビーム管で、精密な内部構造に加え、黄色いリボン、上品なブルーグレーのF2aの管壁印字とデザインセンスが抜群。僕の最も好きな出力管である。
さて、そのF2aを聴いてみる。なお、Ipは6384同様今回は控えめな40mAとしている。明るい音色はF2a-PPと同様でレンジも広く近代的な音。女性ボーカルは6384よりも繊細だ。低域は6384よりやや軽い感じだが全体としては6384より好きだ。



次回はIpを55mAに増やし、TELEFUNKEN EL156を加えた3種の山荘での比較を行う。自宅より音量を上げた状態での比較となる。