TDA1541周辺のDecoupling Cap(3)

現状(試作評価用基板)は上の画像のとおり。4月4日のエントリーからはデカップリングコンデンサーとOPA627BPのI/V抵抗が替わっている。

左の長方形のオレンジが現状のものでNISSEIのポリプロ0.1uF/400V耐圧、右のものがNISSEIのポリプロ0.1uF/100V耐圧、中央の青いやつが龍一さんご推薦のphilipsのポリカーボネイト0.1uF/250V。青いやつはケースにエポキシ充填している構造でWIMAのMKP10などと同様の構造。使ってみたいが、14個のCを外すのは大変なので気力蓄積中(笑)

NISSEIの100V耐圧のものは元気の良い押し出しの強い音、400V耐圧に比べて1543球バッファDACに近い音になる。400V耐圧は100V耐圧に比べおとなし目だが情報量はより多い。こちらのほうがカソードフォロアーで使ってる球の違いが良くわかる。いずれにしても1541DACが圧倒的に低音が豊かであるが、I/Vに元々低音の量感があるOPA627を使っているためかもしれない。

Cの銘柄による音質差は確実にあるが、それがどこから生じるのか要素がいくつかある。
誘電体の違い:ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネイト、スチロールetc。ポリプロとスチロールが損失が少ないそうであるが、昔の金田式ではポリカーボのV2Aが指定だった。
構造の違い:WIMAのMKP10や上の青いPHILIPSは長方形のプラスチックケースにエポキシ充填して詰めている。アメリカシズキのX363、EROの1830、双信V2A、僕の好きなAuricapなどは円柱上に固く巻いて両側から端子を出している。NISSEIの400V耐圧のものや上記のケース入りWIMAなどは長円状に巻いているか緩く巻いた円柱状のものを潰しているだろうから、X363等に比較して巻きが緩いと思われる。
容量の違い:TDA1541(A)周りにはphilipsのデータシートが0.1uFであることから、多くの作例設計例で0.1uFを踏襲しているがこれが本当に適正値かどうかは不明。米国のDIYサイトでは15ufまで試した結果、1.0uFが良かったという報告もある。

いずれにしてもCによる音の変化は顕著で、某氏からの私信などの情報を総合して勘案すると、TDA1541Aのランクや製造年による違いよりも大きいのかもしれない。