J.D.サリンジャー死去

またしても訃報。サリンジャーが亡くなった。

高校から大学にかけて良く読んだ作家だった。高校3年生の冬、英語の受験勉強の代わりにPenguin Booksの新書版"Catcher in the Rye"を読んだのが出会いである。大学に入って、白水社野崎孝訳「ライ麦畑でつかまえて」を読んだ。Nine Stories/Franny and Zooeyなど、その他の作品は鈴木武樹訳の文庫本を読んだ。感受性の強い時期だったからぴったりくる作品群だったが、今でもそうなるかどうか。
"Catcher in the Rye"に5番街のBrooks Brothersの行(くだり)があってブルックスが好きになり、丁度卒業した頃にブルックスが上陸して青山に店が出来た。ネイビーのブレザーを買った。
NewYork育ちであるサリンジャーの短編初出は"NewYorker誌"が多く、そのせいでNewYorker誌好きの作家である中原弓彦小林信彦)を読むようになったし、アーウィンショー(夏服を着た女たち)を読んだりもした。
そんな風に多くの影響を受けたことになるが、ぼくが読んでいた頃、サリンジャーが作品を発表しなくなって既に10年が経っていたのだ。グラス家にまつわる物語の続編を待ち焦がれていたが、それも忘れた。
更に30年が経ってサリンジャーは死んだ。
今週のNewYorker誌は、まるでサリンジャー追悼号のようだ。