絶滅した産地

蝶の蛹がいくつか送られてきました。
そのうちのひとつはゴルフ場の造成で絶滅してしまった産地の蝶を永年に亘って累代飼育したものです。
採集によって絶滅した昆虫はいないと云われますが発生源を潰すとあっというまに虫は居なくなります。

ウスイロヒョウモンモドキも絶滅の危機に瀕している蝶です。中国産地の限られた草原に棲むタテハチョウの仲間の小さな蝶ですが、農家の生活様式の変化によって、定期的な草原の刈り込みが行われなくなったため、草原はススキに覆われたり林に遷移したりして、食草のオミナエシやカノコソウが無くなりつつあります。
現在、残された数少ない生息地である岡山県恩原高原では、採集禁止にした上で、個体数調査、産卵状況調査、生息環境を取り戻すための草刈など、地元と日本鱗翅学会との協力のもと保護活動が繰り広げられています。
こういうことが本当の保護であって、「○○保護のため採集禁止」の看板だけ立てて、実際の保護活動=生息環境の改善を一切行っていない場所がどれほど沢山あることか。