一昨日に書いた磯崎さんの「1級デューデリジェンス士過去問題例」だけれど、偶々昨日来ていた若い会計士男女2人にあの設問を聞いてみた。
問1.A社の担当者は、あなたに対して、「この投資を行うことは事実上もう決定しているので、デューデリジェンスも適当に形だけやっていただければ結構ですよ。」と伝えたとします。この場合、デューデリジェンス作業の責任者である専門家として、あなたはどのような態度を取ることが望ましいですか。下記の選択肢の中から最も適切と考えられるものを選びなさい。
(1) デューデリジェンスの場合、証券取引法や商法に定められた監査とは異なり、任意の調査(レビュー)であるので、基本的にクライアントが求めるレベルの調査を行えばよい。
(2) 今回のような公開会社が行う巨額の投資の場合、後でA社の取締役が代表訴訟された場合等に報告書が証拠として提出される場合もあるので、クライアントの意向に関わりなく、監査法人として専門家の注意義務を果たしたと言える水準の調査を行う。
(3) A社担当者の希望する調査の範囲が、B社への投資を決定するためには不足していると考えられる場合には、A社担当者に、「この範囲では取締役が注意義務違反を問われる可能性がある」旨を告げ、調査範囲の修正を促す。
(4) クライアントの希望とは関係なく、監査法人が通常行う項目についての調査を実行する。
この設問では2人とも(2)を選んだ。
問2.あなたは、調査結果を仮にまとめたドラフト版のレポートをA社担当者に提示して最終報告書の打ち合わせをしています。専門家であれば調査の課程で通常なら発見できるであろういくつかの事項について、A社の担当者から、「これらの事項が記載されていると、当社はB社に投資をできなくなってしまうので、最終報告書からはこれらの部分は削除してほしい。」と依頼があったとします。この場合、責任者のあなたは、どのような態度を取ることが望ましいですか。下記の選択肢の中から最も適切なものを選びなさい。
(1) 監査法人が専門家としての注意義務違反に問われる可能性があるため削除はできない旨を告げて、最終報告書に当該事項の記載を行う。
(2) 監査法人とA社との関係が悪化する可能性に配慮し、最終報告書には記載しない。
(3) A社の代表者または契約書に記載された相手方担当者に口頭で当該内容について十分説明を行って、それを監査法人内のみで使用する議事録またはワーキングペーパーに記載するにとどめ、最終報告書には当該事項を記載しない。
(4) 「あんたとはもうやってられまへんわ」と言って、デューデリジェンスの担当を辞す。
この設問では2人とも(1)を選んだ。
若いだけあってとても健康的な選択である。
この設問自体がCXのLDへの15%の出資を念頭に置いたもので半分ジョークと野次馬的なものであるのだけれど、きちんとした経済社会を実現するためには、クライアントの意向におもねることなく仕事をしなければならない。CXの出資がどういう結果になるか注視。
PS.
で、うちに来てる監査チームの若い女性会計士だけど、結構可愛いくてお気に入り(^-^)
ついついサービス精神発揮で紳助ばりのトーク爆裂(笑) 笑わせてばかりで御免なさい。