PA3886PパワーアンプとPA-A2Nパワーアンプ

ヒロさんのお気楽オーディオから一気に3種のパワーアンプ基板PA-A2,PA-A2N,PA3886Pが頒布された。このうちLM3886パワーICを3パラBTLモードで使えるPA3886P基板と無帰還パワーアンプのPA-A2N基板を購入した。



PA3886Pは一枚の基板に6個のLM3886を載せる。LM3886は近年値上がりして@1000円程度という話があったが@500円で在庫してる店があった。

LM3886を使ったアンプはkhimairaさんのémeraudeを2006年に作った。émeraudeはPA3886P同様OPアンプ+LM3886の構成で、山荘においてあるので最近は聴いていないが電源部と一体化した基板の大変音の良いアンプである。

PA3886Pはパラにして出力合成するので各ICが揃ってなければいけない。マニュアルではゲインを決める1kΩ抵抗と20kΩ抵抗には精度0.1%品推奨とあるが入手も難しく、高価でもあるので手持ちの利久抵抗各々約80本を測定した。1kΩは995Ωから1001Ωに分布しており20kΩは19.83kΩから20kΩに分布。12本とれた998Ωと19.91kΩを使うことにする。
また今回ヒロさんはスイッチング電源の利用についても記事を書かれている。精力的に様々な回路のアンプを研究されているΛコンさんもこのところスイッチング電源を積極的に採用されており、以前Λコンさんにスイッチングノイズに関してお尋ねしたところ、問題はないとのことであった。ということで時流に乗り遅れるなというわけでもないが、Λコンさんが使用されて実績のあるTDKラムダ社製のRWS150B(DC24V6.5A 出力150Wタイプ )を買ってみた。

なおLM3886とスイッチング電源を組み合わせた作例として「スイッチング電源によるLM3886パワーアンプ」がある。

PA-A2Nは先にも書いたように無帰還アンプで無帰還アンプといえばSOULNOTEだ。SOULNOTEの設計者である加藤さんのfacebookの回路記事はたいへん面白くためになる。回路と素子で音は決まると良く言われるが、加藤さんは回路は無帰還、素子(半導体)はCobの小さいものと決めているようだ。
SOULNOTEの定番はTO-92型小信号Trは三洋2SA1016/2SC2362、TO-126型プリドライバーは三洋のビデオ用、TO-220型ドライバーTrは東芝の2SA1930/2SC5171、TO-3P型出力パワーTrはサンケンの2SA1186/2SC2837。
全て廃番になっているが2SA1016/2SC2362は私が常用しているNECの2SA992/2SC1845(KSC992/KSC1845)とほぼ同規格。2SA1930/2SC5171は抜群のリニアリティーでいまでも普通に入手可能。3-4年前に@60円くらいで100ペア買った。常用の2SA985/2SC2275と並んで音の良い石だが切れ込みが凄すぎるかも知れない。サンケンのパワトラはftが高くCobが小さく他社を寄せ付けない性能だがオーディオ不況で秋月に安く大量に放出されている。2SA1186/2SC2837は売り切れたようだが2SA1386A/2SC3519Aは@150とお財布に優しすぎる価格で売られている。





LM3886は構造上6個のICを厳密に放熱器に取り付けなければならない。PA-A2Nは出力段のパワーTrがパラである。つまりはどちらもヒートシンクの穴開け(タップ切り)が結構面倒である。ということでタップ切り工具を新調したがとても具合が良い。画像手前のポンチは随分と昔に買ったものだが最強。

これ以上アンプを増やせないので、最近少々手を入れて絶好調のバイポーラ版お気軽でないPAのシャーシをしばし貸してもらうことに。ヒートシンクがギリギリな感じだがパワトラ4個と基板固定用、CHあたりあわせて8個のネジ穴を切る。KURE556DXに援軍を頼み2.5mmのドリル穴をあけてしこしこ手仕事。

余品の2SA1386-Oを付けてみるがスペースに不安があり没。

F7のケースは余裕があるので、F7基板を外して穴をあけることにした。F7基板はファストン端子でコネクトされているので外すのは簡単である。
パワトラ用の穴は既存の穴を利用することにして基板用のタップだけ切った。

まあこんな感じでいいかな。