Firstwatt F7

目下のところFirstwatt F6が我が家でのメインアンプになっているが、F6の次にネルソンパスが世に出したF7も評判が良いらしい。で、作ることにする。
F7はポジティブフィードバックをかけたアンプで公式には回路は公開されていないが、米国の自作オーディオサイトdiyaudioで回路はほぼ確定している。
次の図がそれである。

4石のシンプルなアンプであるが通常と違うのはR8のセンサー抵抗で検出された出力信号の極一部をR7(39KΩ)で入力段に戻しているところだ。また普通スピーカーは片方をアンプのグランドに繋ぐが、F7はセンサー抵抗に繋ぐ。
出力段には温度特性が負で熱暴走しないラテラル型MOS-FETのALF08P16V/ALF08N16Vを使用しているがこれはとっくの昔に製造中止となっている。が、心配は要らない、日立の2SJ162/2SK1058が同等品である。これのTO-3型の2SJ49/2SK134でも問題ないだろう。
使用部品は大方揃っている。ちなみにシャーシはF6と同じものを発注した。
コロナ禍で世界の物流はエライことになっていて、夏に米国に注文した別のアンプのパーツが未だどこかの倉庫に滞留していたりもするが、今回のシャーシはイタリア→ドイツ→フランス→ベルギー→広州(中国)を経由して13日目に到着した。一方同日に米国に注文した部品はJFK空港で機内積み込みはされているようだが3日間動いていない。

(2020.12.24 追記)
荷物の動きがないことが不審なので、国内配送の佐川グローバルにメールをしたところ、前日に成田に到着して通関待ちとのこと。
DHLは情報の更新が無くてアカンな。

(更に追記)
F7に使われているMOS-FETのALF08P16V/ALF08N16Vだが耐圧違いで耐圧以外同特性のALF08P20V/ALF08N20Vと現在も入手容易なEXICONのECX10P20/ECX10N20とは同じものである。双方の特性図は完全に同じ図を使っている。

Counterpoint SA-3 & SA-3.1 (7)

年末年始にCounterpoint SA-3 と SA-3.1の球交換遊びをしていた。結果から言えば、Tungsramの E88CCが抜群に良かった。
ここに至るまでの過程は、まずSA-3.1にSIEMENSのミュンヘン工場製の最初期のE88CC(ファクトリーコード A01キ26)や、メタルプレート刻印(A3 8CやA4 9G)などで楽しんでいたが、その昔Zeitmann-tubesから購ったTungsramの E88CC (Red Logo 1968年製造)を試しに刺したところひっくり返るほど良かった。
そこでSA-3にもTungsramの E88CCを試すがSA-3.1には及ばない。SA-3とSA-3.1の違いは、SA-3にはDynamicap 0.47uf とRel-Cap PPMF 3.0ufの組み合わせ、SA-3.1はWondercapの0.47uFと3.0uFの組み合わせである。前回の記載とは異なるが、Rel-Capがネックになっているのではないかと、Rel-Cap PPMF 3.0uFをSonicap GEN-Iの3.0uFに交換した。これが大当たり。Tungsramの E88CCはSIEMENS E88CC以上にドライな音と思っていたがSA-3(SA-3.1)との組み合わせでは超絶ハイファイ。とは言えキツイとかハイ上がりとかではなく実体のある生々しさという感じ。良い球です。
現在の機材状況はこう
(ソース)TEAC NT-503のフロントUSBに2TBの外付けHDDを接続。コントロールはスマホからONKYOのアプリで行う。なお、NT-503には10GHZの外部クロックを接続。
(プリアンプ)COUNTERPOINT SA-3 EQアンプ部の真空管は刺していない。FLAT-AMP部のみTungsram E88CCを使用
(パワーアンプ)FIRSTWATT F6
(スピーカー) CASTRON MP-01a
弦楽四重奏でもジャズでもVOCALものでも何でもOKである。

去年の夏に紹介したCASTRON MP-01aは素晴らしいスピーカーであり、あまり話題に上らないのが不思議。かなりの大音量でも平気。ちなみに9月以降Exclusive2402は一切鳴らしていない。

Counterpoint SA-3 & SA-3.1 (6)

Counterpoint SA-3に少々手を入れた。
フラットアンプのプレート抵抗22Kを酸化金属皮膜抵抗からMILLSの無誘導巻線抵抗へ交換、同時に発振止めのグリッド抵抗681Ωと出力の100ΩをPRPの680Ωと100Ωに替えた。試聴すると静けさが増し、情報量も増え、滑らかでとても良い。
次にフラットアンプ入力のDCカット用フィルムコンデンサRel-Cap 0.47uFを評判の良いDynamicap 0.47uFへ変更してみた。SA-3(SA-3.1)は4MΩの高抵抗によるグリッドリークバイアスアンプであるため入力信号のDCカットは必須で、コンデンサの質による影響が大きいと思われる。私見だがRel-Cap PPMFは、SA-3.1に使用されているWonderCapより音はいいんじゃないかと思う。
交換して試聴する。やや刺々しい音だ。しばらく使えばそういう部分は取れていくのを期待するが、現状では古いRel-Cap PPMFのほうが音楽的ではある。

Counterpoint SA-3 & SA-3.1 (5)

Counterpoint SA-3とSA-3.1の修理に要したパーツ(RCAジャックを除く)は下記の通り。主にMOUSERと秋月から調達した。
初めに修理したSA-3.1ではヒーター電源のレギュレータICにオリジナル同様317を使用したが、SA-3に使用したLM350の方が余裕があり良いと思う。
SA-3.1の高圧側電源整流にはUF4007を使ったが整流後電圧がかなり高かったので、低めに出るという話を聞くSICダイオードをSA-3では使ってみたが、全くそんなことはなかった。
電源トグルスイッチはMUTEスイッチやMONO-STEREOスイッチに比べてトグルバーが短いので注意。8G2016-Zが良い。MUTEやMONO-STEREOにはバーの長い8GA2016-Zが良い。
以下のように、Counterpoint SA-3 シリーズは電源トランスが生きていればその他の電源部(コンデンサ含む)が全滅でも1万円以下で修理が可能。電源部の電解コンデンサが大丈夫なら2~3000円で直すこともできる。
万が一、電源トランスが逝ってしまっている場合は、1次100V、2次は2回路で高圧電源用に300V0.1A(AC)とヒーター用に10V2.5A(AC)あたりでRコアトランスを特注するのが良いと思う。60VA以下なので1万円でお釣りがくるだろう。オリジナルのEIトランスの2次電圧は高すぎる。
COUNTERPOINT SA-3.1の回路はここ
SA-3

  • ヒーター電源
    • PB64-BP ブリッジ整流器 400V 6A ¥165 1個
    • LM350T 可変三端子レギュレータ1.2~33V 3A ¥130 1個
    • UFG1E102MHM 電解コンデンサ ニチコンFG 25V 1000uF 85°C ¥90 1個
    • ROJ-16V222M 電解コンデンサ エルナー2200uF 16V 105°C ¥100 1個
    • UPW1H100MDD1TA 電解コンデンサ ニチコン10uF 50V 105°C ¥8 1個 (10個80円)
  • 高圧電源
    • C4D02120A SIC ショットキーダイオード 1200V 2A ¥257 4個
    • 1N5375BRLG ツェナーダイオード 82V 5W ¥40 3個 (10本404円)
    • 400PX22MEFC 電解コンデンサルビコンPX 22uF 400V 105℃ ¥40 1個
    • BU208A TO-3 Power Transistor ¥360 1個
      • 計 ¥2,041


SA-3.1

  • ヒーター電源
    • NJM317F 可変三端子レギュレータ1.2~37V 1.5A ¥50 1個
    • UKZ1E102MHM 電解コンデンサ ニチコンMUSE KZ 25V 1000uF ¥170 1個
    • ROJ-16V222M 電解コンデンサ エルナー2200uF 16V 105°C ¥100 1個
    • UPW1H100MDD1TA 電解コンデンサ ニチコン10uF 50V 105°C ¥8 1個 (10個80円)
  • 高圧電源
    • UF4007-M3/54 Ultra Fast Diode 1000V 1A ¥34 4個 (10本337円)
    • UVR2G220MHD 電解コンデンサ ニチコン 22uF 400V ¥124 1個
  • 電源SW
    • 8G2016-Z 超小型トグルスイッチ(日本電産コパル電子) ¥790 1個
      • 計 ¥1,378

未使用(故障時予備品)

  • 高圧電源用電解コンデンサ
    • 107TTA450M 電解コンデンサ-アキシャルリード 100uF 450V ¥844 2個
    • 227TTA250M 電解コンデンサ-アキシャルリード 220uF 250V ¥658 5個
      • 計 ¥4,978