F2a

もっとも好きな出力管は独逸シーメンス社が作ったF2aという4極ビーム管である。
有名なEdのやや小型といった雰囲気で、黄色いリボンがデザインを引き締めている。


こちらがそのF2aを使ったモノラルプッシュプルアンプ。
このアンプの基本回路は故・伊藤喜多男さんの設計したもので、E80F−E80CC−F2a−GZ34という構成。
出力トランスはタムラ製作所のF-2021を使っている。

このアンプを作るにあたっては、MOHのオーディオ部屋のご主人である茅屋住人さんにお世話になった。茅屋住人さんは大の伊藤喜多男ファンでもある。

また実際の製作は手作り真空管アンプ工房Valves' Worldの山中さんにお願いした。

F2aやそのプロング部のみが違うが中身は同じF2a11を使ったアンプの例は非常に少ない。
ネット上では先ほどのMOHのオーディオ部屋以外では「サウンドパーツ」、黄金のアンコールさんのF2a11-PP、それに「広川アンプ」くらいしかない。広川さんのアンプはちょっと変った回路かも?

F2aはWE300Bのような有名な球ではないが、双方所有している方によるとF2aの方が圧倒的によいようである。非常にワイドレンジで低域も良く出るし高域も伸びやか、このアンプを聞いたある方はMOS-FETのアンプかと思ったそうで、そのくらい現代的な音である。


半導体アンプにない真空管アンプの魅力のひとつが輝くということ。真っ暗にして音楽を聴いていると、アンプの輝きが気持ちをさらにリラックスさせる。